旧帝7大を選ぶ ~特許・実用新案の登録数を可視化
■まえがき
直近では、旧帝大7大学を題材として、技術文献の寄稿状況を分析した大学の選び方を
考察しました。
今回は、技術論文と対比するため、同じく旧帝大7大学を題材に、企業ではより価値が
評価される「発明(考案)」、すなわち公には「特許」「実用新案」となりますが、
これらの「登録件数」を分析します。
*特許ではまず「出願」しますが、「出願」はどんな内容でも、誰でも(法的な人で
あば)可能。一方、「登録」は「審査」を経ますので、「登録」は第三者の目で評
価され、価値が格段に高い。実用新案では「形式審査」のみの場合もあり。
■手段
1990年~2019年までの30年間について作表し、視覚的に理解しやすいように、グラフ化しました。
(1)特許・実用新案の総登録数
(2)一人あたり特許・実用新案登録数
a)教員一人あたり
b)学生一人あたり
*データベース+検索ツール:CyberPatent Desk
*教員と学生の数は、各大学HPで公開されている内、理系(医学、歯学、理
工、薬学、農学等)を抽出してカウントしています。
*特許・実用新案登録数は30年間の累計なので、最新の人数を30倍して、
延べ人数としています。
*東大の理系教員のデータがどうも公開されておらず、悩んだ結果、その他の大
学の教員/学生比の平均から、理系教員数を推定しています。
■結果
(1)登録数もさる事ながら、教員一人あたり最も件数が多いのは1.1件超えで、
「東北大学」。
(2)学生一人あたりでは、0.3件に迫り、やはり、「東北大学」。学生一人あた
り、技術文献の寄稿、特許・実用新案の登録、で「東北大学」は2冠でした。
(3)総件数では劣るものの、教員一人あたりの件数が相対的に多く頑張っている感の
ある、「九州大学」。
(4)以外だったのは「京都大学」。ノーベル賞受賞者を多数輩出し、研究というイメ
ージが強い「京都大学」。パブリッシングの世界では、意外とパッとしないとい
う結果でした。取捨選択に力をいれているのかな。
■考察
特許・実用新案登録数という俯瞰的な統計分析から、発明を特許出願しやすい、多く
の発明が可能そうな大学を選ぶ、ということがある程度可能そうです。
■ブログ、次回の予告
次回は一息ついて「旧帝大」7大学の、技術文献、特許・実案のトレンド分析結果を
考察します。
■補遺
特許・実用新案の登録とは:
登録特許
公告特許
登録実用新案(実審査、形式審査)
公告実用新案
著作権、その他のお問合わせ: